9月の理事長コーナー
- 2017年8月31日
- 甲府あら川こども園
理事長コーナー
世界各国質への注目集まる
—- 8月21日の日経新聞から抜粋 —-
保育所に申し込んでも入れない待機児童を減らすため、政府は保育所の定員を増やす子育て安心プランを発表した。日本では、定員数の拡大を中心に議論されているが、世界では、保育所は幼児教育をする場として質への注目が高い。子育て施設を、就学前教育をする場と考えるのは世界の流れだ。それまで自由に遊んでいた子供が、小学校へ上がった直後からイスに座っておとなしく授業に参加するのは難しいためだ。日本でも幼稚園の教育要領は、小学校から逆算して作られ、その目標に保育所の保育指針にも取り入れられている。ただ所轄官庁の違いから保育園と幼稚園の溝は深い。
城西福祉会の教育方針
城西福祉会は、20年以上前から「幼稚園に負けない教育をする」という目標を定め、教育に力を入れています。私は、見学に来た方に「自由に遊ばせるだけの自由保育を希望の人には、あら川保育園は合いませんよ」と伝えています。しっかりしたしつけ、小学校にむけての教育、何よりも、生きていくのに必要な運動能力を身につけるなどに重点を置いた教育を行っています。したがって、この方針に賛同していただける方に入園していただきたいと考えています。多分幼稚園に入園する方は、「この幼稚園の教育方針が良いのでこの園に入りました」という方がほとんどだと思います。幼稚園は、教育方針により内容が大きく違うからです。保育園を選ぶときに教育内容を考えて入園した人はほとんどいないのではないでしょうか。教育よりしっかり預かってくれる所、家から近いから入りましたという人がほとんどだと思います。実は今の私立の保育園は、幼稚園と同じように各園、内容がほとんど違います。それを知らないで入ると、とんでもないことになります。皆さんが、お友達に城西福祉会の保育園をご紹介してくださる場合は、教育内容を伝えてほしいと思います。
保育指針の変更
私が園長になったばかりの頃、戦後ずっと変わらなかった保育指針が初めて変更になりました。その時の最大の変化が、集団教育は良くない、こどもの自由を尊重し、保育をするというものでした。それから10年くらい自由を尊重した保育をどこの園でも行っていました。しかし、小学校で学級崩壊ということが問題となり、子供を自由にしすぎた、保育園の教育が良くないと保育指針が変更になりました。
その後、保育園も選ばれる保育園にならないといけないということになり、それぞれの教育や保育内容に力を入れて変化してきました。(私立保育園だけですが)公立保育園は他と違う保育をすることはできませんので、特に変わらず30年前と同じ保育を行っているようです。0才から6才までの教育やしつけが、その後の人生を大きく変えるというデータが今や主流となり、現在は「非認知能力を育てる」という保育が主流となりつつあります。しかし、その方法は様々でいろんな方法で各園が取り組んでいます。
城西福祉会の現在の取り組み
私たち城西福祉会は「体操・ワーク・音楽を通して非認知能力を高める」保育を目指しています。この保育方法は、山梨県では城西福祉会だけが行っている方法ですので、他の保育園、幼稚園とは全く違う教育方法となります。それを知らないで入園した方は、最初は戸惑うことが多いと思いますが安心して預けて下さい。この方法は私が今まで行っていた保育の方法で、最高の保育だと思います。これは、保育園だけではできません。ご家庭でも非認知能力を高め、しっかりしたしつけを一緒に教えていきましょう。
研修報告
先日研修でJR九州の唐池恒二(からいけこうじ)会長のお話を聞いてきました。
JR九州はJR東海や東日本と違い国鉄から民間に移行した時に赤字会社でその後も負債が続き、つい最近東証一部上場したばかりだそうです。
収入の4割が鉄道収入で、後の6割は別の収入だそうで、マンション販売は九州で一番だそうです。
その中でも特に会長が社長時代に力を入れた事業が「ななつ星イン九州」では、世界一の旅客鉄道を目指しヨーロッパのオリエンタル急行を超える鉄道を目指したので、それは凄まじい社員の努力があったそうです。
その結果「ななつ星」に乗った方は旅行の最中に何度か涙するそうです。ちょっと聞いただけでは理解できないと思いますが、私もその開発の話を聞いただけで涙が出てきてしまいました。会長の話は、ななつ星の開発に伴うものでしたが、その中で大事なことが「気」ということをおっしゃっていました。英語では「気」はエナジーと言って、やはりエネルギーだと解釈されているようです。「ななつ星」でいえば、その車両に社員の「気」が溢れているから感動を生み、お客が涙するのだそうです。「ななつ星」の車両は塗装一つ取ってもすごくて、カメラマンが車両を写真に撮ると鏡のように磨かれているので自分の姿が映ってしまうとか、空が車両に移って境目がわからなくなるなど、写真家泣かせだそうです。
この「気」を生み出すような企業が栄えるのだとおっしゃっていました。ラーメン店の話もしていましたが、気の溢れたお店は店員が、元気で活気にあふれキビキビ動いている。その反対に気のないお店は、声も小さく、動きも遅い。保育園も同じだとすぐに感じました。とても参考になる講演でした。